久しぶりの海外旅行は、台湾から始まった。
コロナが落ち着いて、ようやくまた海外に行けるようになったとき、
「最初の旅先はどこにしよう?」と迷った末、選んだのが台湾。
近くて親しみやすくて、前から気になっていた国だった。
今回の台湾旅行で訪れた場所のひとつが、台北の「龍山寺」。
“地元の人にも親しまれている有名なお寺”と聞いて、前から行ってみたかった。
場所は台北市内の中心部。賑やかな街の喧騒の中にあるのに、
境内に一歩入ると、すっと空気が変わる。
静かで落ち着いた雰囲気が漂っていて、旅の緊張をふわりとほどいてくれるような場所だった。
龍山寺ってどんなところ?
龍山寺(ロンシャンスー)は1738年に建立された、台北で最も歴史のあるお寺のひとつ。
観音菩薩(慈悲の女神)を主神として祀りながら、境内には月下老人(縁結びの神様)や、
学問・健康・商売繁盛など、人生のさまざまな願いを司る神様が十数柱以上祀られているのが特徴です。
ひとつのお寺の中にこれほど多くの神様が並ぶのは、台湾の廟(びょう)文化ならでは。
宗教というよりも、**人々の生活に寄り添った“祈りの場”**という印象で、
地元の方が日常的に訪れては手を合わせていく様子が印象的でした。
荘厳で神聖な雰囲気がありながらも、
どこか親しみやすく、人懐っこさすら感じる空気に包まれています。
お経が響く時間、落ち着く場所
ちょうど私が訪れたとき、
境内では地元の方々が並んでお経を唱えていた。
香炉から立ちのぼる煙、整然と響く声のリズム。
その空間に身を置いているだけで、
旅先での高揚感が少し落ち着いて、心が整っていく感じがした。
お線香を手に取り、見よう見まねで手を合わせてみる。
お願いごとは内緒だけど、
「来られてよかった」という気持ちが自然とあふれていた。
観光スポットというより、心の居場所
龍山寺は、観光地でありながら、“日常の祈り”がちゃんと息づいている場所。
派手ではないけれど、何かに守られているような感覚がある。
ふらりと立ち寄ったこのお寺で過ごした静かな時間は、
気づけば、今回の旅の中で一番心が落ち着いた瞬間だったかもしれない。
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